今日、魔法使いに飼われました

「おお〜。やっと来た」

シャノンがほうきに跨がり、美砂とメレディスを見つめる。美砂は「えっ？どうしたら……」と首を傾げた。

「美砂も跨って」

メレディスに言われ、美砂はこの人たちに名前を教えたっけと思いながらほうきに跨がる。すると、ふわりとほうきが宙に浮いた。

「えっ！？えっ！？」

美砂が戸惑っている間にほうきは空高く舞い上がる。そこで見た街の景色に美砂は言葉を失った。

目の前に広がっているのは、見慣れた日本のものではなかった。美砂がテレビでしか見たことがないヨーロッパの街に似ている。

「驚いてるでしょ？ここは魔界。人間はこの世界には少数しかいないんだ」

シャノンの言葉に美砂は「えっ……」と呟く。しかし、嘘だとは思えない。夢でもないということは美砂自身がよくわかっている。

「魔界ではペットとして人間を飼うのが最近ブームなんだよね。人間界のペットショップみたいなものは魔界にはないから、美砂みたいに人身売買みたいな感じでしか買えないんだよね」