俺様社長と<期間限定>婚前同居~極上御曹司から溺愛を頂戴しました~
「親から私と婚約しろって言われたのに、『俺は綾花が好きだから無理だ』って反発して会社を辞めて。それから二年、綾花との結婚を認めてもらうために、貴士は必死に頑張ってきたもんねぇ」

 酔っ払いの渚沙はケラケラと笑いながら懐かしそうに言った。
 その言葉に俺は無言でうなずく。

 二年前、父から『近い将来、渚沙と結婚しろ』と言われたときは驚いた。
 都築と葛西の両家の結びつきが強くなれば、お互いに利点が多いのもわかっていたが、渚沙とは結婚できないと断った。

 俺は、綾花が好きだったからだ。

 けれど父は簡単には許してくれなかった。

『渚沙ちゃんとの婚約を破棄して妹の綾花ちゃんと結婚したいなんて、葛西家に失礼だ。そんなお前に家業は継がせられない。それでも綾花ちゃんと結婚したいというなら、誠意と覚悟を見せろ』そう言われた。

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