俺様社長と<期間限定>婚前同居~極上御曹司から溺愛を頂戴しました~
 おじい様との約束だというが、本当に綾花がそんな閉じた世界で生きていくのを、彼女の祖父は望んでいたのだろうか。

「……だから、貴士が支えてあげてね」

 俺が眉をよせていると、渚沙が柔らかい声でそう言った。
 俺は「わかった」とうなずく。

 渚沙と話しているうちに、無性に綾花に会いたくなった。




 時間はもう二十三時を過ぎていた。
 こちらでの用事は済ませたが、今日は東京に泊まって、明日ゆっくり帰る予定だった。

 今から向かったところで、つく頃には夜中だ。
 綾花はもう寝ているだろう。
 それでも彼女のそばにいたくて、いてもたってもいられなくなる。

 スマホを取り出し、米沢に連絡する。
 これから帰ると伝えると、「今からですか?」と驚きの声を上げた。

「そんなに綾花さんが恋しいんですか?」とからかわれ「そうだ」と素直にうなずくと、大きなため息が返ってくる。

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