俺様社長と<期間限定>婚前同居~極上御曹司から溺愛を頂戴しました~
「社長は本当に、綾花さんのこととなると別人のようですね。わかりました。くれぐれも安全運転で帰ってくださいね」

 もちろんだとうなずいて電話を切った。



 
 車を走らせ綾花のもとへと帰る。
 ついたころには真夜中で、町はしんと静まり返っていた。

 東京は晴れていたが、こちらは雨が降っていたようだ。
 古い瓦や木の壁がしっとりと濡れ月あかりを反射していた。
 暗闇のせいか、古い日本家屋がいつもよりさみしげに感じる。

 俺は音をたてないように気を付けながら玄関のカギを開け、家の中に入る。
 綾花はとっくに寝ていると思ったのに、居間の電気はついていた。

 まだ起きているのか。
 いつも早寝早起きの綾花が、こんな時間まで起きているなんてめずらしい。

 そう思いながら居間に入ると、綾花は和テーブルに体を預け眠っていた。
 どうやら居眠りをしてしまったようだ。

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