俺様社長と<期間限定>婚前同居~極上御曹司から溺愛を頂戴しました~
「私も、貴士さんに会いたかったです」

 普段は見せない無邪気な表情で予想外の言葉を言われ、「ぐっ」とのどがつまった。
 どうやら綾花は寝ぼけていて、これは夢だと思い込んでいるらしい。

「帰ってきてくれて、うれしいです」

 俺を見上げながら笑みをこぼす綾花は、ものすごくかわいらしい。
 なんだ、この無防備な笑顔は。

 俺はなんとか冷静になろうと手で自分のこめかみを押さえた。

「俺がいないほうが、のんびりできてうれしいんじゃないのか?」

 そう問いかけると、綾花はぷるぷると首を横に振る。
 そして、俺の胸に額をこつんとぶつけてつぶやいた。

「貴士さんがいないと、さみしかったです」

 綾花の素直な言葉と甘えた仕草に、またものどが「ぐっ」とつまる。

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