俺様社長と<期間限定>婚前同居~極上御曹司から溺愛を頂戴しました~
 普段の、素直じゃないのに気持ちを隠し切れないいつもの不器用な綾花もかわいいけれど、まったく警戒心がない今の綾花も、ものすごくかわいい。
 このまま押し倒してもいいだろうか。

 いや、落ち着け。
 寝ぼけている綾花を押し倒すなんて、卑怯すぎる。

 必死に欲望と戦っていると、綾花が俺をじっと睨んでいた。
 なんだろうと首をかしげる。

「スーツ姿の貴士さん、色っぽすぎてずるいです」

 予想外の苦情に、ぷはっと声を出して噴き出した。

 そういえば、家では普段カジュアルな格好をしていたけれど、今はスーツを着ていた。
 どうやら綾花はスーツ姿の俺が好みらしい。

「じゃあ、普段からスーツを着ていようか?」
「そんなことされたら、毎日心拍数が上がりすぎて早死にします」

 真顔で言う綾花に、俺はくっくっと肩を揺らして笑う。

「その、頬にしわをよせる笑いかたも、反則です」
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