俺様社長と<期間限定>婚前同居～極上御曹司から溺愛を頂戴しました～

　鼻から抜けるような甘い声とともに、体がぴくんとはねる。

　どうしよう。貴士さんも私を好きだとわかったからか、キスが今まで以上に気持ちいい……。

　濃厚なキスに酔わされて、頭がぼうっとしてくる。

　ゆっくりとキスがほどかれる。
　瞳を潤ませて呼吸をあえがせる私を、頭の横に両腕をついた貴士さんが見下ろしていた。

　いつの間にか私は、貴士さんに押し倒されていた。
　私を組み敷く貴士さんは、獲物をみつめる獣みたいに野性的なのに、どこか優雅にも見える。
　貴士さんはキスだけでとろんとしている私を見下ろし、満足げな笑みを浮かべる。その表情が色っぽくて、ぞくりと背筋が震えた。

「綾花。俺と結婚してくれるか？」

　低い問いかけに、私は考えるよりも前にうなずいていた。
　それを見て、貴士さんの表情がふっとゆるむ。

「よかった」

　幸せをかみしめるようなその声に、心臓がしめつけられた。