俺様社長と<期間限定>婚前同居~極上御曹司から溺愛を頂戴しました~
「じゃあ、さっそく結婚の準備をはじめようか。俺と結婚したら綾花も東京で暮らすだろ? この家は誰かに管理を頼むか売却するか……」

 瓦屋根を見上げながら一方的に話を進める貴士さん。

 なんだろうこの展開は。
 初恋の人が私と結婚してくれるなんて、都合のいい夢を見ているみたいだ。

「式はどうする? 俺はウエディング姿の綾花も見たいけど、葛西家の親族は神前式で白無垢の方が喜ぶよな」

 その言葉に、王子様のような純白のタキシードと凛々しい紋付き袴姿の貴士さんが頭に浮かぶ。

 長身で均整の取れた美しい体つきの貴士さんは、間違いなくどちらも似合う。

 どっちも見たいです……!と、前のめりになりそうになって、我に返った。
 これは夢ではなく現実なんだから、そんなうまい話があるわけない。

 私は慌てて呼吸を整え、きゅっと表情を引き締める。それに気づいた貴士さんは首をかしげてこちらを見た。

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