俺様社長と<期間限定>婚前同居~極上御曹司から溺愛を頂戴しました~
 なぜこんなに急に貴士さんと私との婚約の話がでてきたのか不思議だったけれど、お互いの子供を結婚させようと約束していた父が、姉がだめなら私をと、むりやり話を進めたんだろう。

 政界や財界に大きな影響力を持つ葛西家と、大財閥の都築家の結びつきが強くなれば、お互いに利点は多い。
 これはいわゆる政略結婚だ。

 だから彼は、姉を愛しているのに、私と結婚しようとしているんだ。

 鼻の奥がつんと痛くなって、こらえるように唇をかんだ。

 私は彼が好きだけど、彼は私に恋愛感情を抱いていない。
 そんな人と結婚したって、きっと苦しくなるだけだ。

 そう考える私をよそに、貴士さんは目の前にある日本家屋を興味深そうに眺めていた。

「それにしても、ここで綾花はひとりで暮らしているのか」

 そんな感想をもらしながら、家の周りをゆっくりと歩く。
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