俺様社長と<期間限定>婚前同居～極上御曹司から溺愛を頂戴しました～

　彼が大きな歩幅で進むたびに、敷地内に敷かれた白い玉砂利が音をたてた。

「こんな広い家にひとりきりなんて、さみしくないか？」
「二年間もひとりで暮らしているので、もう慣れました」

　貴士さんの問いかけに静かに答えると、彼は足をとめてこちらを見た。

「慣れたってことは、さみしいってことだろ？」
「そんなことないです。私はひとりのほうが気楽ですから」

　そう言いきった私を、貴士さんは黙って見つめる。その視線を感じながら、私は口を開いた。

「貴士さん。申し訳ありませんが、結婚はできません」
「どうして」

　わずかに首をかたむけ男らしい眉をひそめる。
　その表情が色っぽくてぐっと胸に愛おしさが込み上げる。
　けれど、私は冷静を装って彼を拒絶した。

「貴士さんと私が結婚なんて、ありえません」
「俺が結婚相手じゃ不満か？」

　そう言いながら、貴士さんがこちらに近づいてくる。