俺様社長と<期間限定>婚前同居～極上御曹司から溺愛を頂戴しました～
　そう言って白いご飯を口に運ぶ貴士さんに心臓を撃ち抜かれた私は、ぐっと奥歯を食いしばる。

　テーブルの上に並んでいるのは、炊き立ての白いご飯に焼き魚。玉子焼きとほうれん草のおひたし。
　そしてお漬物とお味噌汁。
　いつもと変わらない、朝食のメニューだ。

　私が作った素朴なご飯を、貴士さんがおいしそうに食べている。
　なんだか、ありえない夢を見ているような光景だった。

「綾花？」

　ぼんやりしていると声をかけられはっとする。

「食欲がないのか？」

　貴士さんはさっきから箸が進んでいない私に気付き、心配そうな視線を向けていた。

「あ、いえ、ええと……」

　貴士さんに見とれてました。
　なんて正直に言えるわけがない。

　動揺で頬が熱くなっていくのを感じる。
　思わず視線を落とすと、目の前に玉子焼きが差し出された。

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