俺様社長と<期間限定>婚前同居~極上御曹司から溺愛を頂戴しました~
 両手で心臓を押さえ、必死に深呼吸を繰り返す。

 この人は、どうしてこんなに私をドキドキさせるんだろう。
 このままじゃときめきの過剰摂取で死ぬかもしれない……。

 一ヶ月、私の心臓は持つだろうか。本気で不安になってくる。

「どうした?」

 貴士さんに不思議そうに問いかけられた。

「なんでもないので、少し放っておいてください」

 私が素っ気なく答えると、背後でくすりと笑う気配がした。

 あなたのせいで心臓が止まりそうなんですと、貴士さんを責めたかったけれど、直接文句を言えるわけがない。

 私は鼓動が落ち着くまで肩を上下させ深呼吸を繰り返した。

「そうだ。午前中、俺が借りてる部屋にパソコンとか機材を運び込みたいんだ。業者も入る予定なんだけどいいか?」

 食事を終え食器を片付けていると、そう声をかけられた。

「はい。今日は日曜日で教室もないので大丈夫です」
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