荒野を行くマーマン
「そうですか。そう聞いたら、何だか無性に飲みたくなって来ました」

「それじゃ行きましょう」


そう魚住君を促しながら目的地目指して歩き出す。

まずは給湯室に寄り、自分のマグカップを回収してからその先にあるリフレッシュルームへと歩を進めた。

案の定室内には駆けつけ一杯のコーヒーを堪能している先輩が何人かいて、その方達に挨拶をしながらマシンの前へと移動する。

当該機は2台あるので、仲良く並んでマグカップを所定の位置にセットした。

その間に、機械の横にある棚からミルクと砂糖を取り出しつつ彼に問いかける。


「私の場合はまずここで飲んで、飲みきれなかったらデスクまで持って行くんですけど、魚住君はどうします?」

「あ、それでは僕も同じように」

「そうですか。じゃあ、そこのテーブルが空いてるから使いましょうか」

「はい」


などと会話を交わしている間にコーヒーが出来上がったので、マグカップを取り出し、隣の作業台に移動してミルクと砂糖を投入。

ブラック派らしい魚住君は一足先に私が指し示したテーブルに向かって歩き出す。

すぐに私も後を追い、彼の右横に立った。

テーブルはイスがセットされていない、立食用の背の高い物で、もし座りたい場合は機械類が設置してあるスペースの対面の壁に沿って置いてある長椅子を利用することになっている。

リフレッシュルームはあくまでも自分のデスク以外で一息入れたい時の為に設けられている空間なので、長時間の飲食に適した本格的なテーブルセットは用意されていないのだ。
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