Last note〜バタフライ編
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"青山さん……"


青山「……っっ!?」ぴくっ!?

烏丸「ハァハァ!どないした?!」

青山「クソっ!jumpの奴、俺を混乱させる為に変な軌道で逃げてやがった!」

難波「匂いが途切れたか?」

青山「……なのに、今確かに一瞬。
あげはちゃんの気配があったんだ。」

烏丸「気配やて?匂いちゃうんか…」

矢崎「遠くないかもね。この辺、廃ビルも多いし。」

青山「汗の匂いもまじって…散乱する。
気を取り直さないと…//。」

夏の暑さで走ると気だるさを感じる。
その疲労と、焦りで余計に"匂い"も混乱しているのだ。

烏丸「落ち着け。今は青山の特性が頼りやからな。」

青山「うん…。」

必ず…何処かにあるはずだ。

スゥ……と、呼吸を整えると、

再度、青山は"Last note"を発動させた。


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サァッ…………。

と、ぬるい夏風が、青山の背中を押す。

風の音、遠くで走る車のエンジン音。

皆の荒れた、呼吸音…。

全ての聴覚が、無になった時、


嗅覚だけの世界が、訪れる……。


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