Last note〜バタフライ編
青山「クロハ、君の人格が目覚めたのは何故?いつ?一体、あげはに何があったんだ…?」

あげは『"Last note"が、事件がきっかけで目覚めたんじゃないって事は、さっき気づいたんじゃない?』

大きな瞳の奥に、クロハの鋭い眼差しを感じる。

青山「!!」

そうだ……あげはが、三澄さんの匂いを嗅いでいた事。"前から"と聞いた時に、
そう思ったんだ。

あげは『力に目覚めたのは、親が亡くなった時だよ。』

青山は、その言葉で、

当時のあげはが、どれほどの悲しみを感じたか、と思うと胸が締め付けられた。

青山「…どうして、俺にそこまで話す?」

あげは『………』

青山「警察に保護された時、中富警視長を頼る事だって、出来たはずだ。」

あげは『…あの時はまだ、居たから…。
"あの人"が……。』

青山「あの人?」

そう言うと、クロハは震え出した。

あげは『……っっ!怖い…助けてっ!
ボクを……見つけ出してっ!青山さ…』

青山「クロハ…?!」

怯えきったクロハは、そう言うと
意識を失って、ベッドに倒れた。

青山「おいっ!……眠った?」

その寝顔は、まだあどけなく、

そして……涙が一筋流れていた…。

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