後輩くんはワンコ時々オオカミ


午後からの授業は
また涼太のことばかり考えていた


『好き』


たった二文字のハードルは高い

ここ数日の涼太との時間を思い浮かべてみる


私の気持ちの変化って・・・




手を繋がれてドキドキした

抱きしめられて心臓が壊れそうだった

涼太が笑ってるとつられる

涼太が悲しい顔をすると
頭を撫でてあげたい


好意的なものばかり


逆ならどうだろう?

お昼休みみたいに


涼太が女の子と歩いてるのを見るだけで胸が騒つく

だって

私に見せるような笑顔を
他の子に見せないで欲しい

そんな醜い感情が自分にあることがわかった

涼太のことを思い浮かべるだけで
胸の辺りが騒ついて感情がコントロール出来なくなる


三年前の涼太もそうだけど

今の涼太も変わらず可愛い

身長差があるから
もう腕の中に抱きしめてあげることはできないけれど

逆に


涼太のシトラスの香りに包まれたいって思う




これって『好き』ってこと?



生まれてから17年も
知らなかった感情なのに

涼太と再会して数日で
こんなに急に生まれるものなの?



・・・・・・涼太



今、なにしてる?



女の子の登場で揺れた想いは



『会いたい』って気持ちまで




連れてきた








ねぇ、涼太



『好き』って




苦しい














< 50 / 79 >

この作品をシェア

pagetop