エリート外科医の滴る愛妻欲~旦那様は今夜も愛を注ぎたい~
胸元にゼリーを落とされる。ひんやりと冷たくて、ぬるぬるして、どことなく嫌な感じだ。

そのゼリーを伸ばすように、透佳くんは超音波機器のコードの先端部分を私の胸に押し当てた。

……上にタオルをかけたままで。

あれ? タオル、取らなくていいんだ。なんだか拍子抜けした。

「胸を見られると思って、期待してたのか?」

透佳くんの意地悪な言い草に、ボッと頬が熱くなる。

とはいえ、真剣に私の身体を検査してくれている医者に文句など言えるわけがなく、ぐっと唇をかんで我慢する。

モニターには、ぐにょぐにょと蠢く黒いノイズと、やたら鮮明な赤と青の液体らしきものが流れている。

もしかしてこれは……動脈と静脈的な? なるほど、すごくわかりやすい。

「超音波って、血の色まで見えるんですね」

私が感嘆の声を漏らすと。

「血が青いわけないだろ。機器が自動で色付けしているだけだ」

冷静にツッコミを入れられ、それもそうかと納得する。

素人の私には見方がさっぱりわからないモニターをぼんやり眺めていると、本来は主治医のはずの沢渡先生が処置室に入ってきた。
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