エリート外科医の滴る愛妻欲~旦那様は今夜も愛を注ぎたい~
「彩葉は、子どもが欲しいのか?」

不意に尋ねられ、私は首を傾げる。出産なんて、ちゃんと考えたこともなかった。

ものすごく欲しいというわけではないけれど、いつか欲しいと思う日が来るかもしれない。

愛する旦那さんとの子どもなら――透佳くんとの間に産まれる子どもなら。

「もしかしたら、今後欲しいって思うかもしれませんし……」

もごもごと言葉を濁す私。反対に透佳くんは、迷いなくきっぱりと言い切った。

「俺は欲しいよ。だが、子どもを産んでもらうために結婚するわけじゃない。彩葉がいらないと思うなら、それはそれでかまわない。彩葉が幸せでいることのほうが大事だ」

誠実な眼差し。私の手を取って、その甲に口づけした。まるで物語に出てくる騎士のように。

「彩葉が笑顔になってくれれば、それで充分なんだ」

とびきり甘い言葉を紡いで、彼は微笑む。

どうしてそんなに私のことを大切にしてくれるのだろう。

まだ、彼の愛情が半信半疑だ。そこまでの魅力が私にあるとも思えなくて。
< 138 / 259 >

この作品をシェア

pagetop