エリート外科医の滴る愛妻欲~旦那様は今夜も愛を注ぎたい~
けれど、パートナーに笑顔でいてほしいと願う気持ちは、なんとなくわかるような気がした。

私だって、透佳くんの笑顔を見ていたい。

彼の笑顔を見ていると、心がふわっと温かくなって、幸せな気持ちでいられる。

彼も同じだったらいいのに。

じっと見つめ合っていると、不意に透佳くんが私に尋ねてきた。

「彩葉は、今の仕事が好きか」

一瞬悩んで、ゆっくりと首を横に振る。

「好きってわけじゃありません。ただ、今ここで逃げるのはフェアじゃない気がして」

「フェアも何もないだろう。彩葉は身体を壊しているんだ」

「でも、つらいのはみんな一緒だから。私だけ救われたって、意味がないんです」

私が抜けたら、余計に現場が混乱するだろう。きっと迷惑をかけてしまう。

ひとりだけ楽になりたいなんて、思えない。

私の考えを理解してくれたのだろうか、透佳くんは目を閉じ、渋々といった感じで了承した。
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