エリート外科医の滴る愛妻欲~旦那様は今夜も愛を注ぎたい~
「お前も同じだ、美沙。医師にならず、中途半端な看護師なんぞになりおって。私の顔に泥ばかり塗りよる」

やっぱり変だ。この三人の親子関係。まるで、親子というより従属関係のよう。

「それでも美沙。お前はまだ救いようがある。女としての職務をまっとうし、須皇先生を捕まえてきたのだからな。それがなければ、役立たずと追い出しているところだ」

ゾッと背筋が凍った。女としての職務って……教授は美沙さんのことをなんだと思っているのだろう。

美沙さんはじんわりと目に涙を浮かべたまま黙り込む。

「須皇先生がうちに来てくれれば、私の地位も安泰だ……!」

欲望にまみれた、ギラギラとした目。喉の奥でくつくつと笑って、ワインを一気に呷る。

教授の視界には、沢渡先生も、美沙さんも、誰も入っていないような気がした。

その視線の先にあるのは、権力だろうか? 執着する様は、狂気的とすら思える。

この家族は、一体どうなっているんだろう……。

そのとき、部屋の外がわずかに騒がしくなった。

『お待ちください、お客様!』

ウェイターたちの足音がバタバタと行き交う。

何かあったのだろうか。視線を入口へ向けると。
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