エリート外科医の滴る愛妻欲~旦那様は今夜も愛を注ぎたい~
透佳くんが朝食の片づけを引き受けてくれて、その間、私はメイクを施し髪を整えた。

ふたり揃って家を出て、彼の車に乗り込む。私を駅で降ろした後、彼はその足で病院へ。

私は改札をくぐりながら、パン、と軽く頬を叩き、惚気気分を吹き飛ばした。

今日も仕事。頑張らなくちゃ。労働環境はかなり改善したものの、まだまだ忙しい日々が続きそうだ。

気合いを入れて一歩を踏み出し、電車に乗り込んだ。


次の土曜日。両親の好きな和菓子を買って帰省した。

もう六月も中旬、梅雨の真っ只中だ。鬱々とした雨が降り続き、じめじめと蒸し暑い。

透佳くんがプレゼントしてくれたワインカラーのレインブーツを履いて、実家までの道のりを歩く。

家を出て、もうすぐ二カ月。透佳くんと再会してからは、もう四カ月が経とうとしている。

あっという間ではあったが、密度の濃い四カ月だった。

仕事もプライベートもガラリと変わった。もちろん、いい方向に。

物思いにふけりながら、実家の玄関を開けると。

「あら、おかえり彩葉! 太ったわねぇ!」

母に会ってそうそう、衝撃的なことを告げられ、私は手土産片手に凍りついた。
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