エリート外科医の滴る愛妻欲~旦那様は今夜も愛を注ぎたい~
彼に従って、頭の中で数えていると、身体がじわじわと温まってきた。透佳くんの高めの体温が、ベッドごと私を温めてくれているのだ。

筋肉が緩み始め、次第につま先がほかほかとしてきた。

彼の左手が私の背中を、心臓と同じリズムでトントン叩く。

まるで、小さかった頃、母親に寝かしつけられたときみたいだ。

「……どうして、寝かしつけるの、上手なんですか……?」

ぼんやりとしてきた頭で尋ねれば、彼は甘い微笑を浮かべながら、囁くように答えた。

「母は、弟が産まれてすぐに亡くなった。寝かしつけは俺の仕事だったんだ」

……じゃあ、透佳くんは、今、立佳くんを寝かしつけているつもりなのだろうか。

失礼しちゃう。私は妻になる女性なのに、弟と同じ扱いをするなんて。

でも、効果は絶大で、意識がふわふわと飛んでいきそうになった。

「……警戒心ないな、お前。悪い子だ」

耳元でクスリと笑う声が聞こえた。反応できるほど意識は残っていなくて、私は久しぶりに来てくれた睡魔に身を委ねる。

意識が完全に飛ぶ直前。

「……おやすみ、彩葉」

耳もとでチュッという甘い音が鳴った。その原因をよくよく考えはしないまま、私は深い眠りに落ちてしまった。
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