みずあめびより
鈴太郎が両手の親指と人差し指を使ってハートの形を作っていた。顔は最大限に照れていてカメラから目線を外している。
「何これ・・・。」
普段の彼からは想像できない姿が写ったその写真に衣緒は心を撃ち抜かれ、喜びにわなわな震えてしまった。
その頃、鈴太郎は写真を送ったことを少なからず後悔していた。
───返信来ないし。いや、別に返信がほしい訳じゃないんだけど。いい歳したおっさんが何やってるんだって引かれたかな?それか寝てる?初めての自撮りで手間取ったからな。ほんと、何やってんだ、俺・・・。
湧き上がる羞恥心に耐えかねて頭を抱えていると携帯が震えた。衣緒からの返信だった。
「!!!!!!!!!」
今度は彼が心を撃ち抜かれる番だった。
『ありがとうございます。スマホだったら動画送ってもらえるのなら・・・スマホに変えようかな。』
本文にそう書かれたメールに添付された写真では、衣緒が両腕全部を使って頭の上に大きなハート型を作っていた。見方によっては猿のマネをしているようにも見える。顔も真っ赤だったので尚更猿のようだ。
鈴太郎は気がついたら発信ボタンを押していた。
『・・・も、もしもし?』
衣緒の戸惑った声が聞こえてくる。
「こういう写真送ってくるなよ。部屋に押し掛けたくなるから。」
『だ、駄目ですよ?』
「わかってる。我慢するよ。」
『おやすみなさい。また明日。』
「おやすみ。」
二人はお互いの事を想いながら幸せな眠りについた。
「何これ・・・。」
普段の彼からは想像できない姿が写ったその写真に衣緒は心を撃ち抜かれ、喜びにわなわな震えてしまった。
その頃、鈴太郎は写真を送ったことを少なからず後悔していた。
───返信来ないし。いや、別に返信がほしい訳じゃないんだけど。いい歳したおっさんが何やってるんだって引かれたかな?それか寝てる?初めての自撮りで手間取ったからな。ほんと、何やってんだ、俺・・・。
湧き上がる羞恥心に耐えかねて頭を抱えていると携帯が震えた。衣緒からの返信だった。
「!!!!!!!!!」
今度は彼が心を撃ち抜かれる番だった。
『ありがとうございます。スマホだったら動画送ってもらえるのなら・・・スマホに変えようかな。』
本文にそう書かれたメールに添付された写真では、衣緒が両腕全部を使って頭の上に大きなハート型を作っていた。見方によっては猿のマネをしているようにも見える。顔も真っ赤だったので尚更猿のようだ。
鈴太郎は気がついたら発信ボタンを押していた。
『・・・も、もしもし?』
衣緒の戸惑った声が聞こえてくる。
「こういう写真送ってくるなよ。部屋に押し掛けたくなるから。」
『だ、駄目ですよ?』
「わかってる。我慢するよ。」
『おやすみなさい。また明日。』
「おやすみ。」
二人はお互いの事を想いながら幸せな眠りについた。