みずあめびより
───・・・うちと似てる・・・。

白と木を基調にした家具、ナチュラルな雰囲気の雑貨、所々に置かれた植物、目の前にある白いローテーブルは丸い形で、壁際に置かれた棚についた窓も丸い、そんなところまで自分の家と同じだった。

さらに驚くことに自分が持っているのと全く同じものもいくつか見つけてしまったのだ。

───あの切り株のスツールうちのと同じだ・・・あのレモンとライムの柄の掛け時計は300円ショップの500円商品、気に入ってるんだよね。100円ショップのガーランドも同じのがうちにある。あ、通販でほしかったのに売り切れてた家の形のゴミ箱!

目を見張っていると、目の前に麦茶がトン、と置かれた。

「エアコン寒くない?」

そう言いながら鈴太郎はテーブルを挟んだ向こう側に座った。そこにあるグリーンのソファには座らず床に座り、ソファに寄りかかって落ち着いた。

「大丈夫です。ありがとうございます。綺麗なコップ・・・。」

薄作りガラスのコップにはグリーンで植物の絵が描かれていた。

「これ、手づくり市・・・ハンドメイドマーケットっていうの?そこで買った。」

よく見ると彼の手元にも同じコップがあった。同じようで少し違う絵だった。

「手づくり市、私もよく行きます。」

「そうなんだ。」

鈴太郎は心がにわかにざわめくのを感じたが、つとめて落ち着いたトーンで反応した。

「手作りのものっていいですよね。同じものが一つもないところとか、既製品ほどの強度がないから、丁寧に扱わなければならないところとか、なんだか愛おしいです。」

彼女は幸せそうな顔をしながら言った。

───そう言えば、彩木さんがつけているアクセサリーってハンドメイドのものっぽいよな。今日は雨だからかつけてないけど。
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