みずあめびより
「お、おはようこざいます。」

「・・・いい天気だな。」

彼は眩しそうに目を細める。

「はい。嵐の後ってこんな風に晴れますよね・・・。あの、これ、ありがとうございました。」

マットレスやタオルケットのお礼を言った。

───あの時起きてたかなんて聞けない。それに、今更だけどこんなに近くで寝ちゃったんだ・・・。

「俺ソファで寝たんだし、寝室に行けばよかったのに。一時間くらいで目が覚めたら彩木さん座ったまま寝てたから、その、ごめん、そこに寝かせた。」

───俺は寝てて、何も見てないし、聞いていないということにしよう。

「・・・いえ、お手数おかけしました。」

───よかった。やっぱり寝てたんだ。

ホッとして、寝顔見られたうんぬんはどうでもよくなった。

「シャワー浴びる?俺浴びるけど。俺、朝苦手で、シャワー浴びないと目が覚めなくて。」

「・・・。」

───葉吉さん、まだ眠そうな姿がかわいい・・・。寝顔もかわいかったし。会社では絶対に見られない姿。

思わず見とれてしまった。

「どうする?」

「あっ・・・はい、すみませんが、お借りしたいです。」

───さすがに夏だし・・・。トイレはやむを得ずお借りしたしね。

「じゃ、先使って。」

「いえ、葉吉さんがお先に。私自分の後掃除するんで、道具を貸していただけたらと・・・。」

「掃除とかいいから。」

「でも・・・。」

鈴太郎は起き上がると歩いてきて座っている衣緒の手をとった。
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