みずあめびより
飲み物を持って戻ると乾杯をして、焼けたものから食べていく。

「彩木さん、ちゃんと食べてます?これとこれも焼けてますよ。」

衣緒の隣にポジションをとった新貝が彼女の皿に美味しそうに焼き上がった食材を乗せていく。

「あ、ありがとうございます。」

「お、なんか二人初々しくていいねぇ!」

真中が満足そうに茶化す。

「今日仕事外で初めてちゃんと話せるんですから邪魔しないでくださいよ~。」

新貝がふざけた感じで言うと、彼の隣で玉川も負けずにふざけた感じで言った。

「新貝さん、いつも話してる私とも話してくださいよ~。」

「・・・。」

鈴太郎はウーロン茶を飲みながら、彼らの様子が気になってしまっていた。

「あ、私、お手洗い行ってきます。」

衣緒は玉川に気を遣いこの場を離れようと思ったが、先程玉川が新貝と一緒に3人分のビールのおかわりを取りに行ってくれてから、まだ誰の飲み物もなくなりそうになかったので、特に行きたくはなかったが、トイレに行くことにした。

トイレから出ると新貝が男子トイレの前にいて、会釈してきた。

「!?」

───新貝さんもトイレ行ったんだ!?席外すタイミング悪かったかぁ・・・。

「彩木さん、楽しんでますか?」

「あ、はい・・・。」

「俺、駆け引きとか苦手なんで直球で聞いちゃいますけど、彩木さんて今彼氏いないんですよね?」

「え?いないですけど・・・。」

「じゃ、好きな人は?」

「・・・。」

鈴太郎のことが心に浮かんでしまった。

「いるんだ?」

「!」

「聞いときたかっただけです。どっちにしろ俺は・・・。」


飲み物カウンターの前まで来ると鈴太郎がビールを受け取っていた。
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