【女の事件】とし子の悲劇・4~遺恨の破砕波(おおつなみ)
第3話
それから3日後の5月13日の朝のことであった。

マダムズバーの仕事を終えたアタシは、赤茶色のバッグを持って、JR横浜駅へ続く道を歩いていた。

JR桜木町駅の付近を歩いていた時、アタシは敦賀で暮らしている友人と再会した。

「あら…とし子じゃない…元気だった?」

アタシは友人からの問いかけに対して、気乗りしない声で『うん。』と答えたので、友人はアタシにこう言った。

「とし子…せっかく会えたから、近くのカフェでモーニング食べない?」

アタシは敦賀で暮らしている友人からモーニングに誘われて、野毛大通りにあるカフェレストランに行った。

ところ変わって、野毛大通りにあるカフェレストランにて…

二人は、600円のモーニングセットを注文して朝ごはんを食べた後、コーヒーをのみながらこんな話をした。

「ねえとし子。」
「何よ?」
「あんた、9度も離婚と再婚を繰り返して来たじゃない…」
「うん。」
「あんたは、このままでいいと思っているの?」
「このままでいいの…って言われても…アタシは、恋人をつくって結婚をしたいと言う気持ちはないのよ…9度も結婚生活に失敗したから、ウツになっている…と言うより、とっくにブルーになっているわよ…」
「今のとし子は…ブルーなのね。」

コーヒーをひとくちのんだ友人は、アタシにこう言うた。

「とし子、気持ちがブルーになっている時にもうしわけがないのだけど…」
「それって、アタシにまた再婚してと言うことなの?」
「ごめん…ごめんね…」
「ごめんねじゃないわよ!!どうしてアタシに相談せずに勝手に話を進めるのよ!?アタシは、再婚をしたくないと言うたら再婚なんかしたくないのよ!!」
「だから、ごめんねって言っているじゃない…」
「冗談じゃないわよ!!またアタシはクソバカ以下の男と再婚で、親きょうだいと同居する…アタシはどうして男運が悪いのかしら(ブツブツ)…」

アタシは、ひねた声で友人にこう言うた。

「あんたね…アタシが今どんな気持ちになっているのか…分かりもせずに軽々しく分かるなんて言わないでよ!!女の幸せは、結婚して赤ちゃんを生むことしかないのかしら!?」
「そんなことは言ってないわよぅ…」
「なら、先方さんに断って!!」
「断るわよぉ…だけどその前に…」
「その前に…って、アタシにどうしろと言いたいのかしら!?」
「だから…一度お見合い相手と実際に会ってみて、しばらく時間を置いてから結論をだしたら?」
「どうしても会えと言うの!?」
「だって、会わなかったら相手の人がどういう人なのか分からないわよぅ…もしかしたら、今度はとし子のことを大事にしてくださる人かも知れないわよ…」
「あんたの言うことなんか信用できない…どーせ、クソバカ以下の弱虫男に決まっているわよ!!心細い心細い心細い心細い心細い…と言うダンナの親、超安月給でもてないバカシングルきょうだいのカノジョ代わり…次もそうに決まっているから拒否するわよ!!」
「拒否する…」
「アタシは、同じセリフを9回も聞いたけど、全部大外れだったわ…そのことがあったけんアタシは拒否すると言うたのよ!!」
「分かっているわよぉ…とし子…お願いだから怒らないでよぉ…」
「怒りたくもなるわよ!!」
「アタシ、しんどいのよ…」

友人はアタシに、何度も繰り返して『今度こそは大事にしてくださる人だから大丈夫よ…』と言うた。

けれど、武方さんと武方さんの奥さまも友人が言うたセリフと同じセリフを言うたので、アタシにとっての『今度こそ…』と言うのは何なのよと思った。

アタシはお見合いするけど、今回は会わずにお断りして終わらせようかと思った。

翌日、アタシは由比ヶ浜にあるカフェレストランへ行った。

オシャレなカフェレストランできよひこさんとお見合いしたが、5分で終えた。

次の日のことであった。

アタシは、桜木町駅前にあるカフェレストランで友人と会って、コーヒーをのみながら前日のお見合いの返事をした。

アタシは、お見合いを受けることができないと友人に返答した。

友人は、口をへの字に曲げてイヤそうな顔でアタシに言うた。

「とし子…お見合いを断るって…あんた本気で言うているの?」
「もうかんべんしてよ…」
「とし子の気持ちはよくわかるわよ…9回も結婚生活に失敗をして、気持ちがブルーになっていることは分かるわよ…アタシは一度会ってみて判断した方がいいとは言うたわよ…だけど…」
「断るなと言いたいのかしら!?」
「断るなとは言うてないわよぉ…」
「だったら、アタシを自由にさせてよ!!」
「分かってるわよ…だけどね…」
「何なのよ一体もう!!お見合いを断ったら困る理由があると言いたいのかしら!?あんたもしかして、お見合いの相手の家にメーワクかけるようなことをしたのかしら!?」
「きよひこさんの家にメーワクかけていないわよぅ…」
「だったら、あんたの身内がカネがらみの失敗を犯したから、後始末のためにカネを出していただいたとか…」
「そんなことじゃないわよ…」
「それじゃあ、あんたの親類のおじがヤクザにケガを負わせたとか、あんたのイトコかハトコの女の子がホストに捨てられたあと、ホストの子どもを中絶する手術の費用を出していただいたとかじゃないの!?」
「違うわよ…」
「それじゃあ!!あんたの妹のダンナが職場の女性従業員さんたちにセクハラをして、妊娠させたとか、従業員さんたちにパワハラしてケガを負わせたんじゃないの!?それか、あんたの妹のダンナが従業員さん同士のカップルを無理やり別れさせたとかして、うんと悪いことをしたのじゃないのかしら!?」
「違うわよ…きよひこさんの家に女のコのきょうだいがひとりもいないのよ…お母さまもいないのよ…」
「なさけない家ね!!女のきょうだいがいない、お母さまがいないからアタシに代わりを求めているだけじゃないのよ!!きよひこの家はひ弱よ!!」
「とし子の怒る気持ちはよくわかるよ…だけど、きよひこさんのお父さまは病弱で介護が必要になるかもしれないのよ。」
「それなら、地元のシャキョウ(社会福祉協議会)に頼みなさいと言うてよ!!」
「分かったわよ…それと、弟さんが勤務している缶詰め工場のお給料が少ない上に、再来月支給分からさらにお給料が減ってしまうのよ…お給料が減ると言うことは、年収が600万円に満たなくなるのよ。」
「それは、相手の弟がなんでもかんでも世の中のせい、政治のせいにしているからお給料が上がらないのよ!!お給料が少ないのであれば、よその事業所へ転職しなさいと言うておいてよ!!…それと、勝手に決めつけることもやめてよ!!お給料が少ない人はお嫁さんが来てくれない…それは、どなたが言うたのかしら!!頭ごなしに決めつけないで!!」
「決めつけじゃなくて、きよひこさんの弟さんは資格や特技が全くないから、段ボールの折りたたみと箱詰めの仕事しかできないのよ…」
「そう思うのであれば、資格を取る勉強しなさいと言うておきなさい!!だいたい、先方の家の親御さんはなに考えているのかしら!?弟の職場の経営者がクソバカ以下だから経営が悪化するのよ!!経営者が政治家やヤクザとドーラクザンマイにのめり込んだからそのようになったのでしょ…そういうあんたに聞くけど、あんたの父親はどーだったのよ!?」
「アタシのお父さんは年収800万で安定した昇給があった…」
「あんたね!!アタシたちの親の世代と今とでは、局面が違うのよ!!」
「分かってるわよ…」
「結婚できなくなったシングルきょうだいのごはんを作れと言いたいのかしら!?」
「だって、温かいごはんとみそしるをついでくださる人がいなかったらどうするのよ?誰がおいしい目玉焼きを作るのよ…男子チュウボウに入るべからずの家だから…」
「それはいいわけよ!!ごはんごはんと言うのであれば、宅食サービスを利用しなさいと言うておきなさいよ!!」
「とし子はそれでいいのかしら?」
「知らないわよアタシは!!」
「それじゃあ、とし子はきよひこさんのシングルきょうだいに温かいごはんとみそしるをつがないと言うことね…シングルのきょうだいにおいしい目玉焼きを作れないと言うことね…シングルのきょうだいを散髪することができないのね!!」
「はぐいたらしいわね(あつかましいわね)あんたは!!あんたはアタシにどうしてほしいと言いたいのよ!?」
「どうしてほしいって、幸せになってほしい…」
「あのね!!ただ幸せになってほしいだけでは意味がないわよ!!」
「悪かったわよぉ…」
「何なのよあんたは!!それが人にあやまる態度かしら!?とにかく、断ると言ったら断るわよ!!アタシはクソバカ以下の家の弱虫男とは結婚しないから…『死んでやる』と言うのであれば死になさいと言うてよ!!サイアク!!」

アタシは、友人とああでもないこうでもないと言い合いしたあと、店を飛び出した。

きよひこさんも、お見合いを受けないと言うてイコジになったので、話し合いは平行線に終わった。

それから2日後のことであった。

きよひこさんはアタシの友人の妹さん夫婦から『弟さんとお父さまのごはんを作ってくれる人がいなくてもいいのかね?』と言われたので、きよひこさんは『困る…』と答えて折れた。

その結果、アタシと再婚することになった。

アタシも、友人の妹さんから『きよひこさんは困っているので助けてほしい…』と言うて部屋に居座ったので困っていた。

アタシは、友人の妹さんに部屋に居座られたら困るとから、お見合いを受けると言うて折れた。

アタシときよひこさんは、10度目の再婚をした。

しかし、市役所に婚姻届けを出さなかった。

ものすごく生ぬるい形で結婚生活をすることになった。
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