【女の事件】とし子の悲劇・4~遺恨の破砕波(おおつなみ)
第4話
時は流れて…

2025年7月10日に、深刻な事件が家庭内で発生した。

この日は、梅雨明けの発表があったので不快指数がメチャメチャ高い1日であった。

アタシは、お料理ができる気立てのいいお嫁さんになれるようにと思って、一生懸命努力して来た。

由比ヶ浜の家で暮らしはじめてから1ヶ月もたたないうちに、家庭内の空気が一気に険悪ムードにおちいった。

アタシは、ダンナと義弟と義父が『男子厨房に入るべからず』の気持ちがあるからごはんを作ることができないと言うから、アタシがごはんを作っていた。

義父は、アタシの手料理が楽しみだと言うて喜んでいた。

義父は、アタシとダンナが再婚したので『かずひこ(義弟)が少しずつだが心を開くようになった。』と喜んでいた。

しかし、ダンナはアタシが義父と義弟ばかりによくしているからおもしろくないと言うて思い切り怒っていた。

だから、アタシにきついイカクを繰り返すようになった。

7月10日の夕方6時頃のことであった。

ひどく酒に酔っているダンナは、アタシに『オヤジやかずひこにばかりよくして、オレにはきついイカクを加えているのか!?』と怒鳴り付けた。

アタシは、泣きそうな声で『違うわよぉ…』と言うたから大ゲンカになった。

「あなた!!アタシはかずひこさんと義父(おとう)さまがごはんを作れないから、一生懸命になっておいしいごはんを作っているのに、どうしてアタシにきついイカクを加えるのよ!?アタシがどんな悪いことをしたと言うのよ!?」
「何やオドレ!!オドレはいつからダンナに口答えをするようになった!?オドレはいつからかずひこのカノジョになった!?」
「あなた!!アタシがかずひこさんにやらしいことをしていたと言いたいのかしら!?」
「かずひこが心を開くようになったから、かずひことからだの関係を持つようになったのだ!!」
「アタシはかずひこさんと義父さまにおいしいごはんを作ってあげたいから一生懸命になって努力したのに、あなたはどうして目くじらをばかりを立ててアタシをイカクするのよ!?」
「きついイカクを加えているのはオドレだ!!オドレがかずひことからだの関係を持つようになったから、オレのことはキライだと言うた!!」
「違うわよぉ…」
「口答えするな!!」

(バシッ!!)

ダンナは、平手打ちで力をこめてアタシの顔を思い切り叩いた。

「オドレはいつから口答えばかりするようになったんや!?オドレはいつからかずひことみだらな関係を持つようになったんや!?オヤジともみだらな関係を持っていることを聞いたから、ぶっ殺してやる!!」
「何するのよ!!」

ダンナは、アタシをクッションの上に倒した後、アタシの身体を思い切り押さえつけて右の手をふりあげてコブシを作ってイカクした。

「あなたやめて!!アタシは悪いことしていないわよ!!…やめて…やめてー」

(ビリビリビリ!!)

ダンナは、アタシが着ていた白のブラウスを思い切り破った。

その後、カッターナイフでブラウスの下に着ていたベージュのインナーをズタズタに切り裂いた。

(ブチッ)

続いて、インナーの下に着けていた白のブラジャーをちぎった。

「ふざけるな!!ドインラン女!!」
「やめて!!アタシ何にも悪いことしていないわよ…やめてー」

ダンナはますますキレていたので、アタシが着ていたクリーム色のスカートの中に手首を入れて、白のショーツを無理やり脱がして、アタシをシツヨウに犯した。

この時、義弟が工場から帰ってきた。

目の前でレイプシーンを見た義弟は、せっかく開いた心を再び閉した。

アタシは、7月10日に発生した事件の以前からダンナの暴力を受けるようになったので、夫婦関係は破綻した。

サイアク…

今度はいい人だから大丈夫だと思って選んだダンナと思ったら…

またきつい暴力をふるわれた…

もうだめ…

アタシ…

離婚してやる!!

ダンナに犯されて、ひどく傷ついたアタシは、ひとりぼっちで日没から夜へ向かう道を歩いて由比ヶ浜へ行った。

(ザザーン、ザザーン、ザザーン、ザザーン、ザザーン、ザザーン…)

由比ヶ浜に着いたアタシは、うつろな表情で星がきらめき始めた夜空を見上げながらこう思っていた。

アタシは…

どうして…

再婚なんかしたりしたのか…

アタシは…

結婚以外の道を選んで…

前向きに歩いて行こうと思ったのに…

もうだめ…

アタシ…

死にたい…

7月11日の夕方6時頃のことであった。

家の食卓に、アタシとダンナと義父がいた。

義弟は、ゆうべ直にレイプシーンを見たことで再び心を閉ざした。

同時に、家でごはんを食べなくなった。

テーブルの上には。スーパーで買ってきたオソウザイが並べられていた。

義父は、残念な表情でダンナに言うた。

「ったく…どういうことなんだ…またお嫁さんにきつい暴力をふるったのか…父さんは残念だ…今度ばかりはどうすることもできない…とし子さん…かわいそうに…」

義父は、アタシの右のほほに貼られている大きなバンソウコウを見て大きくため息をついてから、ダンナに言うた。

「こんなことになるのだったら、再婚させるのじゃなかった…最初の再婚の時からおかしいと思っていた…」
「ふざけたことを言うなよ色欲ジジイ!!キサマがとし子ばかりをえこひいきしたからこうなったのだ!!悪いのはあんたや!!」
「とし子さんにどうしてきつい暴力をふるったのだ…かずひこが直にレイプシーンを見たことで、かずひこは再び心を閉ざした!!よ…」
「とし子がかずひことやらしい関係を持っていたからオレに犯されたのだ!!」
「とし子さんは、一生懸命になってごはんを作っているのだよ…うちにはお姉さんたちがいないのだよ…」
「だったら連れ戻せ!!」
「できればそのようにしたいよ…だけど…うちの近辺では暮らしたくないと言うている以上はどうすることもできないのだよ…」
「だからとし子に求めているのか!?」
「お父さんはからだが弱いし、かずひこもお前も料理ができないから…」
「キサマが男子チュウボウに入るべからずと言い続けているからこうなったのだ!!すべてはキサマが全部悪いのだよ!!」
「ワシがどんな悪いことをしたと言うのだ!?」
「だまれ!!だまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれ…だーーーーーーーーーーーーーーーまーーーーーーーれーーーーーー!!…『老いては子に従え』だ!!だまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれ!!」
「それじゃあ、お前はどうしたいのだよ…」「とし子と離婚する!!あんたとかずひこがとし子にやらしいことをしたから離婚する!!」
「ワシはとし子さんにやらしいことはしていないよぉ~」
「グダグダグダグダいいわけばかりを並べるな!!」

義父は、大きくため息をついてからこう言うた。

「こんなことになるのだったら、きよひこを再婚させるのじゃなかった…」
「何だよ、今ごろになって開き直ったのかよ…なさけない…」
「なさけないのはきよひこの方だ!!ああ、最初の再婚の時からとし子さんの時まで…どうしてお嫁さんにきつい暴力を加えたのか…4度目の時は、嫁さんが亡くなったのでケーサツ沙汰になったことを忘れたのか!?あの時、弁護士さんがお前のためにどれだけ走り回ったと思っているのだ…もういい…とし子さんの実家のお兄さん夫婦を呼び出して、とし子さんを引き取ってもらおうか…」

義父はこう言った後、大きくため息をついた。

アタシは、ダンナが4度目のお嫁さんと再婚をした時、お嫁さんが死亡したことを聞いた。

もしかしたら、アタシにも生命の危険が及ぶのではないのかと強い危機感を募らせた。

アタシは、ダンナの夫婦関係とダンナの家族と関係が破綻したので、リエンすることを決意した。
< 4 / 16 >

この作品をシェア

pagetop