【女の事件】とし子の悲劇・4~遺恨の破砕波(おおつなみ)
第9話
その日の夜のことであった。

由比ヶ浜の家には、かずひこさんとさよこのふたりだけがいた。

アイツの姉夫婦と父親は、姉のダンナが会員になってる商工会の集まりに行ってたので、家の中は危険な空気がただよっていた。

事件は、夜8時50分頃に発生した。

さよこは、お風呂に入るために着替えとバスタオルを持って、お風呂場に入って行った。

この時、かずひこさん…いえかずひこが浴室の影に隠れていた。

さよこがお風呂場に入って行くタイミングを見計らって、あらかじめ用意していたクロロホルムをしみこませたハンカチを取り出した後、風呂場に入って行った。

かずひこは、お風呂場の入り口にいたさよこの背中を押さえつけた後、口にクロロホルムをしみこませたハンカチを押さえつけた。

さよこは、意識を失ってその場にドサッと倒れた。

かずひこは、クロロホルムで意識を失ったさよこを抱き抱えて自分の部屋に連れて行った。

さよこをベッドに寝かせて、部屋のドアのカギをかけたかずひこは、さよこが着ているクリーム色のスカートをくしゃくしゃにして、ラベンダー色のショーツを脱がして、白のブラウスを破って、下に着けていたラベンダー色のブラジャーを思い切りちぎった。

そして、スマホのカメラで撮影して、写メでメールを送った。

その後、かずひこは変な声をあげながらクロロホルムで意識を失っているさよこをシツヨウに犯した。

その頃であった。

アタシ・とし子はJR東神奈川駅の近くにあるイオンの中のケンタッキーでバイトを終えて、JR横浜線の電車に乗って、横浜アリーナの近くにあるセブンイレブンのバイトへ向かう途中であった。

アタシは、赤茶色のバッグの中に入っているスマホのマナーモードのバイブが震えていたのを聞いた。

何事かと思って、スマホを手にとった。

着信のメールは、わけのわからない英文字と数字がならんでいるメアドから届いたメールであった。

アタシは、メールを開いてみた。

そしたら…

助けて…

だれか…

助けて…

助けを求めるメッセージと共に、クロロホルムで意識を失っているさよこが恥ずかしい姿をさらされている写メとちぎられて金具が大きく破損しているラベンダー色のブラジャーとボロボロに汚れているラベンダー色のショーツの写メが添付されていた。

なっ…

何なのよ一体…

何でアタシにこんな写メを送りつけたのよ…

もしかしたら…

かずひこかもしれない…

恐ろしくなったアタシは、メールを閉じてスマホをバッグの中にしまった。

もしかしたらかずひこがアタシに帰ってきてほしいさみしさからレイプされたさよこの写メを送ってきたに違いないわ…

アタシは、由比ヶ浜に行くことが怖くなったのと同時にアイツの家への怒りをより強めた。
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