最高ランクの御曹司との甘い生活にすっかりハマってます
我慢はしたけど、いたたまれなくて、私はその場から逃げるように帰った。


萌佳は居酒屋の前でニコって笑いながら、私に手を振った。


どうしてそんな笑顔になれるの?


一体、どうしたって言うのよ。


あんな冷たくて、突き放したような言い方するなんて。


私は、とにかく、絢斗に折り返しの電話をかけた。


「お疲れ様です。すみません、連絡が今になって……」


「いや。まだ島田さんと?」


「あ……いえ。萌佳とは、さっき別れました。今からマンションに帰ります」


「……だったら合流しよう。今、ホテルを出るところだ」


絢斗がそう言ってくれて、私達は待ち合わせ場所を決めて、そこで落ち合うことになった。


本当なら嬉しいはずなのに、ちょっと……気分が沈んでしまう。


絢斗には、こんなこと言えないし。


萌佳のことを考えながら歩いてたら、ますます気が重くなった。
< 125 / 257 >

この作品をシェア

pagetop