それつけたの、俺だよ?-六花の恋ー【完】【番外編2完】
「新垣先輩ですか……?」
「詳しく言うと、坂野の嫁が玲奈に頼んできて、俺が来たということだ」
あ、両方のお嫁さんですか。
なんかテキパキとした人だなあ。
玲哉くんと見た目は似ているけど、雰囲気は全然違う……。
「で、坂野千波さんはあなたか」
玲哉くんとお父さんたちを見ていた玲哉くんのお父さんが、わたしを見て来た。
ぴんと背筋がのびる。
玲哉くんのお父さんは優しく目元をゆるめる。
「は、はいっ」
「玲哉の父の藍田尚哉です。不肖ではあるけれど、息子のことをよろしくお願いします」
「はっ、はい! こちらこそ足りないところばかりですがよろしくお願いしますっ」
勢いあまって畳に額を打ち付ける勢いで頭をさげた。
れ、玲哉くんのお父さんにこんなこと言ってもらっていいの……⁉ というか、玲哉くんのご家族的にわたしでいいのかな……?
「はじめまして。玲哉くんのお父様。千波の姉の千聖(ちせ)と申します。私からも、妹のことよろしくお願い申し上げます」
わたしの隣のお姉ちゃんが、わたしと一緒に頭を下げてくれた。
そして玲哉くんのお父さんがまた口を開く。
「ええ。末永いお付き合いになることを願っています」