イケメン男子と疑似恋愛⁉︎
向葵くん、ここで待っててって言ったけど、ちょっと様子を見に行くくらいなら大丈夫かな…
二人の様子が気になった私は、ベンチから立ち上がり向葵くんが向かって行った方へと歩いて行く。
そのとき、また、サァーっと湿った風が吹いて、不快感をプラスされた。
憂鬱になりながら髪を押さえて歩いていると、何やら女の子の声が聞こえてきた。
……何かあったのかな。
急いで声のする方へ駆け寄ると、校門の近くで男女二人が立ち並ぶ姿が見えた。
あれってもしかして、向葵くん……?
その隣は、昨日見た子だ……。
部活生しか残っていないためか、ほとんど野次馬みたいなのはいなく比較的あたりは静か。
「ねぇ、どうして。私の何がいけなかったの?ちゃんと説明してよ」
その代わり、女の子の声が響く。
「だから何がいけなかったとかじゃないんだって」