イケメン男子と疑似恋愛⁉︎
「ねぇ、私のことべつに嫌いじゃないんでしょ?それならやり直そうよ!」
えっ……
やり直す……?
……もしかして過去に一度付き合ったことがあるって言ってた子……?
「やり直すのは無理なんだ。ごめん」
「どうして?嫌だよ…っ」
そう言うと、女の子は向葵くんの腕をぎゅっと掴んだ。
「ごめん。こういうのほんとに困るんだ」
けれど、それを拒んだのは向葵くん。
私が隠れてる場所からは向葵くんの表情が全然見えないはずなのに、声を聞いているだけでどんな表情をしているのか頭に浮かぶと、ズキッと心が痛む。
「どうして?三浦くん、好きな子いないんじゃなかったの?誰も好きになれないんじゃなかったの?」
女の子の言葉に口をつぐんだ向葵くん。
どうしたんだろう……?
答えられないのかな。
その間も女の子は向葵くんに詰め寄る。