イケメン男子と疑似恋愛⁉︎
「あー……ごめん、俺近すぎたね」
笑って私から離れると、頭をかいて、背を向けた向葵くん。
あっ……
もしかして今の勘違いされたかも…
「あ、向葵くん。今のは違うから!」
私、もうすれ違いたくない。
向葵くんを傷つけないって決めたもん。
「私、今のは嫌だったんじゃなくて、ただ距離に驚いてただけだから!」
「距離に?」
「うん。その……向葵くんがあまりにも近くにいたから、ドキドキ…しちゃって…」
カァッと一気に体温が上がる。
それとリンクするかのように鼓動の音も大きくなっていく。
私を見つめたまま「ドキドキ?」と呟いて、固まる向葵くん。
「……じゃあ嫌じゃない?」
「う、うん。嫌じゃ…ないよ」