イケメン男子と疑似恋愛⁉︎


教室に着くと、案の定、クラスメイトの視線が一気に私と三浦くんに注目する。


「えっ、三浦くん!?」
「うっそ!どうして?」


女の子たちの声が次々に聞こえてくる。

──その表情は、まるで“アイドル”でも見ているかのように目をハートにさせていた。

そんな視線を感じながら、教卓にノートを運ぶ私たち。

なるべく誰とも目が合わないように焦点をずらして歩いていると、──クスクスと笑っている姿が目に入る。

……奈央ちゃんだ…!

絶対、おもしろがってるよ。

もうっ。私は命がけだって言うのに!

だってこれはもう、確実にあとで面倒なことになっちゃうっぽいよね……?


「日坂さん、ここで大丈夫?」


不意に、三浦くんが私の名前を呼ぶ。

その声に一瞬、ドキッとする。

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