イケメン男子と疑似恋愛⁉︎


「日坂さん?」

「──あっ…大丈夫です。」

「そう。よかった」


私の顔を見て、にこりと微笑む三浦くん。

その姿を見たクラスメイトが、さらにざわつき始める。

三浦くんの隣にいるだけで、私までスポットライトに当たってしまう。

それくらい影響力のある彼の、“お試し期間のお付き合い”を安易に受け入れてよかったのだろうか、とふと思う。

私の耳元に顔を寄せた三浦くんは──


「放課後、校舎裏で待ってるね。」


教室がざわついているおかげでみんなには聞こえていなくて、私にだけしか聞こえないくらい小さな声で、そう呟いた。

ざわついててうるさいはずなのに、なぜか、三浦くんの声だけはクリアに聞こえた。

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