イケメン男子と疑似恋愛⁉︎


ガサガサ音が鳴っちゃったら起きちゃうかもしれないよね。

ここは、静かに待った方が……

うん。そうしよう。


奈央ちゃんに連絡するのは諦めて、ソーっと向葵くんを起こさないように、ベンチの端に座った。

直後、ミシッと鈍い音が鳴り、一気に緊張が走る。


『……スー、スー…』


だ…大丈夫っぽい……。

ふうーっと、一気に緊張が解ける。


うたた寝をしている向葵くんと、その横にいる私。

なんだか、自分が悪いことをしているように思えてならない。

(……これから、どうしよう)


かばんを抱きしめながら、悩む私。

だけど、全くいい案なんか思い浮かばなくて、ただ時間だけが過ぎていく。

< 93 / 335 >

この作品をシェア

pagetop