イケメン男子と疑似恋愛⁉︎
不意に「…ん〜…」と向葵くんの方から声が聞こえたかと思い、ドキッと緊張していると「……あ、れ…」と言って目をこする。
あ、向葵くん起きたんだ…!
この状況を何て説明すれば…
「……結衣、ちゃん…?」
私の肩に頭を預けていた向葵くんが、ゆっくりと起き上がって私を見た。
そのときの向葵くんの瞳は、起き抜けで、まだ瞳がぼんやりとしているようで、その瞳が真っ直ぐ私を捉えているから、思わず、目を逸らしてしまう。
……向葵くん。な、なんだか、色っぽい。
「俺…もしかして結衣ちゃんの、肩借りて…寝てた?」
いつもよりテンポの遅い話し方なのは、向葵くんの頭がまだはっきりと起きていないからなのかも。
その言葉に私は頷くと「どれくらい、寝てた…?」と問いかけられる私。