こんな溺愛、きいてない!

よくわからない……

すると。


「凛花、どこにいたんだよ」


下駄箱の陰から
ひょっこりと遥先輩が顔を出す。


「会計補助になっちゃって、
生徒会室で手伝ってたの」


「ふーん、
だれかと連絡先とか交換した?」


「生徒会グループには、
一応入れてもらったけど」


「かして、スマホ」


「なんで?」


「削除するから」


「……はい?」


「カレシがいるのに、
他の男の連絡先とか許されないしな」


いきなり、どうした?


「他の男って、
生徒会のひとたちだよ?

こんな地味―な私に
興味を持つとはまったく思えないし、

生徒会のひとたちに失礼だよ」


みんな、話し合いをしながらも、
手元の資料やPCと格闘していて

とてもじゃないけど、

そんなお花畑なことを
考えている余裕なんて、
なさそうだった。


「は? 一皮むけば、
男なんてみんな一緒だよ」


「少なくとも、
遥先輩とは違って紳士だと思います」


「俺は別に紳士じゃなくていい」


「近い!」


「もっと近くに寄ってみる?」


おでこ、
くっついちゃってるのに、

これ以上どうやって!

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