こんな溺愛、きいてない!
そのとき。


「神楽坂くん、ばいばーい」


高くて可愛い声がその場に響く。


視線を動かすと、

チア部の先輩たちが可愛い衣装に
ボンボンをもって遥先輩に手を振っている。


うん、可愛い。

女の私でも正直、くらっとくる。

そして美脚。


「チア部の先輩たち、
本当にみんな可愛いひとばっかりだね」


もう部活っていうより、
アイドルグループみたい。


「は? 俺は、凛花が好きだし。
他の女なんて興味ねえし」


じゃ、どうして仲良くするの?

……なんて、聞けないよ。


だって、
私とあの先輩たちじゃ、
比べようもない。


もし私が男だったとしても、
こんな地味な私じゃなくて、

あの先輩たちと
仲よくしたいと思うはず。


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