愛する人を見つけた

二日後の金曜日。


竹沢君から 食事に誘われた麻衣。

私達の計画通り 竹沢君は 麻衣に告白をした。
 

「なかなか 話しを切り出さないから。私が『竹沢君から誘うって珍しいね。会社で何かあったの?』って聞いたの。」

と麻衣は話し始める。
 

「お前、お見合いするの?」

突然 竹沢君は 核心を突いてきた。
 
「ユズが言ったの?もう。」

と麻衣は 顔をしかめた後で、
 
「親がうるさくて。親戚に お節介おばさんがいるのよ。」

と迷惑そうな顔で答えた。
 
「会うだけ会って 断るってヤツ?」

少し不安そうに言う 竹沢君に
 
「いい人だったら 付き合うわよ。私だっていい年だし。そんな出会いしか もうないじゃない。」

と麻衣は答えた。
 
「止めろよ。見合いなんて。」

竹沢君は 急に 怒った顔で言った。
 
「何よ、急に。どうしたの。」

麻衣が驚いて言うと
 
「俺 嫌だよ。お前が 誰かと結婚するとか。」

竹沢君に言われて 麻衣は 何も言えずに 竹沢君を見つめた。
 
「お前が近くにいるの 当たり前だと思って 俺、甘えていた。」

竹沢君は男らしい。

麻衣の報告を聞きながら 私は思った。
 
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