俺様社長は溺愛本能を隠さない
さらに私に詳細な情報を記載する入会申込書を書かせた後、その二枚の紙を見比べながら花輪さんは本題に入った。
「相手に求める条件がほとんど書いてないけど、ここ大事よ? どんどん言っていかないと。 年齢、年収。あと職業、趣味、外見とか。性格の希望もあれば」
性格の優先順位ってそんなに下? 結婚なのに?
来る場所間違えたかな……と思いながらも、とりあえず質問に答えた。
「年齢は近い方がいいですが、十個くらいなら違っていても話せると思います。私が仕事を辞めなくていいのなら相手の年収は特に気にしませんし、職業はあまり派手じゃなければ何でも。趣味も……ギャンブル以外なら。外見のこだわりもないです。性格は……会ってみないと分からないですね」
「うん、年齢は三十七までで、仕事は続けたい、ってことね。分かったけど、他が少しあやふやだから掘り下げていきましょう。まずは年収よ。一番大事。気にしないって言っても、これ以上じゃなきゃダメってラインはあるでしょう? いくら? 六百万くらい?」
いやいや、大企業でも若手はそんなに貰えてませんでしたけど……。
「……平均ってもっと低いですよね? 四百万円とか……」
「四百万でいいの!?」
「でも、そうすると三百九十万の人は弾かれちゃうわけですよね? 別にそれでもダメってわけじゃないし、区切るのは難しいですね……」
「じゃ、じゃあ、身長は? 百八十センチ以上?」
「いえ別に身長はいくつでもいいです」
「貴女より低くても?」
「はい。別にいいです」