イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!


「ごめんねっお待たせ、しまし、……た……」


メイクと着替えとを終え、カバンを引っ掴んでリビングに戻ったわたしの声は、尻すぼみに消えてしまった。

「うそ、寝ちゃってる……?」

そんなに時間……15分程度、だったと思うんだけど。
彼はソファに背を預けたまま、長い足を持て余し気味に投げ出して、心地よさそうに目を閉じていた。

一気に力が抜けてしまい、ラグの上にへなって座り込む。

わたしが来たことにも気づかないし、結構熟睡しちゃってる?

昨夜、あんまり寝てないのかな? 
もしかしてわたしみたいに、今日のことを考えて……?

「ふふっ……あるわけないか」

きっと仕事で忙しかったんだろう。
それでもわたしのために時間を確保してくれるなんて……なんか申し訳なくなっちゃう。
無理しなくてよかったのに。

「まつ毛、長……」

ローテーブルに頬杖をついて、思わずじぃって、見惚れちゃった。
黙ってるとほんと、いい男。

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