イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
――ねえあそこにいる男の人……。
――うんうん、気づいた。かっこいいよね?
なんとか落ち着いてきたかな、と思ったら。
入れ替わる様に聞こえてきたのは女子たちの囁きだ。
――どこかで見たことがあると思わない?
――え、マジ? どこで?
――なんかさぁ……雑誌に載ってたんじゃなかったっけ?
会話の内容にドキッとして。
確認してみれば案の定……彼女たちの視線の先には坂田くんがいた。
彼がヴィラの取材を受けたのは、何か月も前なのに。
まだ覚えてた女子がいるなんて。
――え、聞いた? あの人雑誌に載ってたんだって。
――うっそぉ! まさか芸能人?
――でもわかるかも、めっちゃカッコいいもんね。
ざわつき出す周囲に、なんとなく戻るタイミングを失ってしまって。
どうしようかと迷っていたんだけど――
「あれぇ、坂田さんだぁ!」
はしゃいだ声に、ハッとした。
棚から顔を突き出して見てみたら、大学生くらい? 一人の女の子が坂田くんに手を振りながら、ギャラリーをものともせずに駆け寄っていく。
「……あぁ、久しぶり」
2人は知り合いみたい。
愛想よく微笑んでみせる彼に、なぜかツキンと痛みが走った。