イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!

店の奥から流れてくるピアノの生演奏に耳を傾けつつ、何気なく周囲を見渡すと。
いくつかの視線が、ささっと不自然に逸れていった。

ランタンを模したムーディな明かりでも、ちゃんとわかる。

L字型のカウンター、それからテーブル席。
そこを埋めたお客のうち、男性はほぼ全員(店員も含む)、チラチラこっちを気にしてるって。

うぬぼれたりしない。いつものことだから。

彼らが視界に入れようと躍起になってるのはわたしじゃなく、この目の前に座る我が親友、真杉飛鳥だ。

本人は相変わらず、全く気づいてないみたいだけど。

シンプルな黒のパンツスーツがオートクチュールみたいに映える抜群のスタイル、ルーズにまとめたダークブラウンのウェーブヘア。
メイクもファッションも控え目なのに、隠しきれない色気が滲んでるって言うか。
とにかくまわりが自然と目を奪われちゃうのよね。

最初の頃は、子どもっぽい自分と比べて結構落ち込んだっけ。

仕事ができて、面倒見もよくて周りに慕われて。
飛鳥くらい“いい女”だったら、坂田くんとも釣り合いがとれるのかな……

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