イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
「そうだ、その後……その、変わったことはない?」
手帳からふと顔をあげた飛鳥。
その、らしくなく口ごもる様子で、ピンときた。
坂田くんのファンから嫌がらせを受けてないか、ってことだろう。
「うん、特にないよ。大丈夫」
そう答えると、彼女の頬が安心したように緩んだ。
うん。確かに今のところは、平穏が続いてる。
最初のうちこそ、あちこちでいろんなこと囁かれてたけど。
彼がちゃんと肯定してくれたせいか、おおむね好意的に受け止められているらしい。
特に総務課は、タッグを組んで守ろうとしてくれてるらしく。
他部署、特に営業部へ赴く必要のある仕事は、誰かが替わって引き受けてくれり。
社食でランチする時は、光莉ちゃんたちが壁になってくれたりして。
だからまだ、直接悪意をぶつけられるってことはない。
「トライアルだってことは、ごく一部を除いて内緒にしてるから、協力してくれるみんなには申し訳ないんだけどね。まぁあと1か月くらいだし、あっという間に終わるでしょ」