イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!

「いいからいいから。あのヤンチャだった慎太郎に、こんな可愛くてしっかり者の彼女ができたなんて。もう嬉しくて仕方なくてね」

感慨深げな眼差しがわたしへと注がれていることに気づいて。
なんとなく居心地が悪い。

お試し期間だなんて、とても言えない雰囲気で……

けど……え? ヤンチャ、って?
聞き捨てならない言葉に、何度か瞬く。

「坂田がヤンチャだったって、どういうことですか?」
飛鳥も同じ部分が気になったらしい。
興味津々で聞くから、こっちも耳がダンボになってしまう。

「そのままの意味だよ。もう地元じゃ知らない奴はいない……っと、これはナイショだった」

悪戯っぽく人差し指を口に当てて見せた流さんは、「じゃあごゆっくり」と笑顔で引き返していく。

「なんだろ、気になるね? ヤンキーだったとか?」
「えぇ? まさか」

否定しつつも、思い出したのは初デートの時のこと。

絡まれたわたしを助けてくれた坂田くんは、確かに素人離れした動きで……
いつもの彼とは別人だったっけ。

なんて、とりとめもなく考えたものの。
その後運ばれてきたデザートの美味しさに記憶が上書きされて、すぐに忘れてしまった。

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