イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!

「ぷ、プラトニックって、約束……っ」
「あぁ、だから押し倒したいの我慢してる」

男らしく骨ばった指が、わたしの耳たぶに触れる。

「味見して、いい?」
「は?」

答えた時にはもう、ぱくっと食まれていた。

そのまま、ちゅ、ちゅっ……って。
その周りへ啄むように落とされる、小さなキス。

耳元でダイレクトに響く音は、すごくいやらしくて恥ずかしくて。
瞬く間に呼吸が乱れてしまう。

「ンっ……」

思わず漏れそうになる声を、ギュッと唇を噛んで堪えた。

そんなわたしを試すみたいに、背中を腰を、悩まし気な手が撫でていく。
足ががくがくって、小刻みに震えだすのがわかる。

自分が自分でなくなってしまうみたいな、それは恐怖すら覚える未知の感覚で。
防衛本能っていうんだろうか。
なんとか逃れなければと、とっさに口を開いていた。


「本気、じゃないくせにっ……」

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