イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
「あぁ総務総務!」
これ見よがしに総務、を連呼されて、ギュッと唇を噛んだ。
――え、何何? 何の騒ぎ?
――総務がどうとかって、どういうこと?
――ツリーの担当?
グランドフロアに集まっていた人たちが、こっちをチラチラと注目してて。
居たたまれなさが募っていく。
わたしだけならいい。
でも、総務課全体が悪い、みたいに言われるなんて……
さすがに聞き流すことができなくて、彼女たちへ向き直った。
「担当したのはわたしです。文句があるなら個人的に聞きますけど、ツリーを楽しんでくれてる人たちの気分を壊すようなこと言うのは、やめてください」
「あぁ、総務課の、ええと誰さんでしたっけ。中村さん? どうりで貧乏くさいツリーだと思った」
ボソッと、それでも十分周りに聞こえる声で西谷さんが言う。
「うちが上場企業だって自覚、ないんじゃないですか? まぁ、だから身の程知らずにも、うちのエースにちょっかい出したりできるんだろうけど」
「なっ!」
叫んだのは光莉ちゃんだ。
「可哀そうなんで、教えて差し上げますね。遊ばれてるだけですよ? 坂田さんが総務の女なんかに本気になるわけないでしょ?」