イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
「ちょ、ちょっと、何してんのよっ!? まさかインスタに!?」
目を吊り上げる西谷さんに、ガバッと手を合わせる。
「ご、ごめんねっ菜々美、つい……あたし、こういう人形好きで……」
「う、うるさいっ! 黙りなさいよっ!」
どうやら、クレームは“言わされてた”だけみたい。
周囲にもそれが伝わったのか。
――なんだよ、ただの言いがかりかよ。
――どこの部署のヤツ? ほんとに人騒がせねえ。
――あー時間無駄にした。
一気に興味を失ったらしく、三々五々、散っていく。
気づけば、こそこそっと人込みに紛れるように遠ざかっていく3人が見え。
あぁよかった、と胸をなでおろしたんだけど。
……ん?
あれ、ちょっと待って……
スカートの揺れ具合、手の振り具合、足の運び方。
後ろ姿の西谷さんに、妙に既視感が……
次の瞬間。
あ! と叫びそうになった。
そっくりだ。
昨日わたしが書庫から出た時、逃げるように駆けて行った赤いスカートのコに……
もしかして、あれは西谷さん、だった?
あの時わたしたちのやり取りを聞いてしまって、それで、あんな風に突っかかってきた……?